残波岬の夕日が浮かぶビアグラス誕生秘話「RYUKYU GLASS WORKS 海風」

工房の窓の外には芝生が広がり、爽やかな風が吹き抜けます

沖縄本島中部、読谷村(よみたんそん)の海を一望する高台にある「RYUKYU GLASS WORKS 海風(うみかぜ)」。海や夕日、ガジュマルといった、沖縄の自然をモチーフにしたオリジナルのガラス製品を製作・販売し、大人から子供まで楽しめる職人体験も行っている琉球ガラス工房です。

工房内の吹き竿や型、熱処理を施す焼成炉(しょうせいろ)などはほとんどが職人たちの手作り
隣接する直売店には職人のセンスが光る作品がズラリ

2000年に設立され、22年目を迎えるこの工房には、沖縄県工芸士に認定され、「沖展」や「沖縄市工芸コンテストCraft in 沖縄市」など各コンテストで受賞歴のある職人が在籍。隣接する直売店「Glass Art青い風」では、ダイビングや釣り好きの職人による海をテーマにした作品、キャンプ好きの職人による山をテーマにした作品など、それぞれの個性が光るタンブラー、ジョッキ、小鉢、花瓶など多彩なアイテムが並びます。

RYUKYU GLASS WORKS 海風とオリオンビールがコラボ!

コラボグラスのベースは工房の代表作「残波の夕日」

その「RYUKYU GLASS WORKS 海風」がオリオンビールとタッグを組み、コラボグラスをリリースすることが決定。普段のビールをよりおいしく楽しく飲めるコラボグラスの製造風景を取材しに、さっそく工房にお邪魔し、代表取締役の屋良彰(やら・あきら)さんと、コラボグラスのベースとなる「残波の夕日」の生みの親で、沖縄県工芸士の松田将吾(まつだ・しょうご)さんにお話を伺いました。

「地元に根差したオリオンビールさんとのコラボはとにかくうれしい!」と話す屋良さん(左)と、「残波の夕日」考案者の松田さん(右)

今回コラボする「残波の夕日」は「RYUKYU GLASS WORKS 海風」の代表作で、県内外に根強いファンを持つ人気アイテムです。読谷村出身の松田さんが、地元である残波岬から見える美しい夕日を作品に生かしたいと約15年前に考案しました。

空、海、夕日のグラデーションが美しい残波岬の夕暮れ時※イメージ

海人(漁師) の祖父と鮮魚店に勤める母のもとで育ち、幼い頃から読谷の海が身近にあった松田さんにとって「残波の夕日」はなじみの景色です。当時は、この絶景を多くの人に届けたいとイメージを膨らませましたが、製作に入ると、理想通りの色が出ない、ベースとなる形(グラス、ジョッキなど)が理想の色には向いていないなど、多くの壁にぶつかりました。

「残波の夕日」を考案した松田さんは職人歴30年の大ベテラン

その後、デザイン、色、使い勝手など全てを考慮するとその工程は困難を極め、着想から完成まで数カ月、さらに商品化されるまで1年を要し、ようやく「残波の夕日」のロックグラスが完成。その後ジョッキグラス、今回コラボするビアグラスが生まれ、3種類がシリーズ展開されるまでは10年以上を費やす大作となりました。

ロックグラス、ジョッキ、ビアグラスとシリーズ展開されている「残波の夕日」

さらに「残波の夕日」の色の境目の部分は熟練の職人でも技術的に難しく、工房の作品の中でも1番製作に時間を要します。1日の生産数は、朝から晩まで稼働しても40~50個程。中には、割れてしまったり傷が入っている物もあり、A品として販売できる数はごくわずか…。「残波の夕日」の製作は、着想から10年が経つ現在でもたやすいことではありません。

元玉は窯から出すと30秒もしないうちに固まり始めます。一秒一秒が勝負の決め手!
「残波の夕日」は職人たちの息の合った連携プレーにより完成します

そんな中、工房では効率良く生産するために、松田さんと後輩職人の複数で一つの作品に取り掛かかります。それぞれが、吹く人、手元の人、色を巻く人と各工程を担当し、仕上げは松田さんが手掛けます。作業中に交わす言葉はわずかですが、その連携は素早く正確で見る者を圧倒させます。長年培った信頼の上に成り立つチームプレーは迫力満点! これこそ職人技です!

ビールを注いで初めて完成する「残波の夕日」

ビールを注ぐとグラデーションに新たな色が出現!

さらに「残波の夕日」には驚きのからくりが隠されています。空の状態では赤、透明、青の三層ですが、ここにビールやさんぴん茶など(黄色に近い飲み物)を注ぐと、オレンジと緑の層が加わり、グラスにの夕焼けのような美しいグラデーションが出現! 晩酌のたびに残波岬の沖に沈む夕日を思い出させてくれる、沖縄ファンにはたまらないデザインが施されています。

自宅での晩酌時「残波の夕日」に思いを馳せてみては

松田さんは「『残波の夕日』はグラスだけでは未完成。飲み物を注いで初めて完成します」とそのコンセプトを語ります。「デザインも大切ですが、まずは使ってくれるお客さんのことを考えて製作します。自分もビールが好きなので、このグラスで普段よりおいしくビールを飲んでもらえることを考えると製作意欲が沸き、自分でもこれでビールを飲んだら格別においしいだろうなと思います」と笑顔で話す姿からは、作品への熱意と自信が垣間見えました。

「デザインシート」で自分だけのグラスをカスタマイズしよう!

お客さんを思う気持ちから生まれた「デザインシート」

「RYUKYU GLASS WORKS 海風」では琉球ガラス体験も実施しています。通常の体験は、完成している作品にならって製作することがほとんどですが、こちらでは「デザインシート」が用意されているので、多種多様なオプションを加えられることはもちろん、熟練の職人の指導により、色、泡、巻き線といった職人技も加えられます。

「デザインシート」は屋良社長が考案。初めてガラスに触れるお客さんが楽しく安全に、思い思いのデザインを楽しめる方法を模索していた時、大好きな某カレーチェーン店のトッピングからヒントを得たそうです。

これにより、幾通りものデザインが生まれ、まさしく世界に一つだけの作品を仕上げられます。「琉球ガラスを好きになってほしい」という屋良社長のガラスへの愛情とお客さんへの思いやり、そしてカレー好きが功を奏しました。

製作体験では熟練の職人がフォローしてくれるので初心者でも安心

この日、初めてガラス製作にチャレンジした女性は「あまり手先が器用ではないので不安でしたが、職人さんのフォローのおかげで安心して楽しく体験できました」と笑顔。「デザインシート」も活用し、自分好みのグラスが完成したようです。体験は、女性はもちろん、6歳以上であれば可能ですので、親子連れでの参加もおすすめです。

工房前は水平線を望む絶好のロケーション

また、工房の目の前には大海原が広がり、ぜいたくなロケーションの中でガラス作りができるのもポイント。屋良社長は「日によっては水平線が一望できるので地球が丸いのが分かります。時間帯と季節によって海が違った表情を見せてくれます。20年以上見ていますがいまだに飽きません」と誇らしげに話します。この景色と作品に魅了されてリピーターになるお客さんも多いとか。

工房から見える夕暮れ時の景色もまた格別

最後に屋良社長は「沖縄を訪れることが難しい状況が続いていますが、工房の琉球ガラスを手にすることで、沖縄の自然やのんびりとした雰囲気を思い浮かべていただけたらうれしい。あと少し頑張りましょう」とコメントを寄せてくれました。

「沖縄の心」が込められた作品は公式サイトからオーダーできます

沖縄、そして読谷の自然が間近にあるこの場所だからこそ生まれる“メイドイン読谷”の琉球ガラスをぜひ一度手に取ってその魅力を感じてみてください。

「RYUKYU GLASS WORKS 海風」
住所:沖縄県中頭郡読谷村高志保915 (Gala青い海内)
電話:098-958-2000

海風×オリオンビールのコラボ商品が買えるのは、オリオンビール公式通販だけ!

「RYUKYU GLASS WORKS 海風(うみかぜ)」が作る公式通販限定のオリジナルビアグラスは、「オリオン ザ・ドラフト」と一緒にどうぞ!
ビールを注いで初めて完成する「残波の夕日」の美しいグラデーションを眺めながら、沖縄の大自然に想いを馳せながらオリオンビールを美味しく味わってください。

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