ミーニシ、マハエ、ウリズン…四季を感じる沖縄の言葉たち

沖縄は、“青い空と青い海”のような夏のイメージが強いですが、雪までは降らずとも肌寒い冬も訪れ、一年の中に季節の変化を感じることができます。

それゆえ、昔から季節を表す沖縄独特の呼び名も数多く使われています。今回は、そんな季節を表す沖縄の呼び名を紹介します。ぜひ沖縄旅行に訪れた際には、沖縄の言葉でも季節を感じてみてくださいね。

二十四節気(にじゅうしせつき)を表す沖縄の方言

1月末から咲く沖縄のカンヒザクラ/©OCVB

日本の暦で今でも使われている二十四節気。1年間をおよそ15日ごとに分けて、季節の変化を表すために使われています。もともと中国の気候をベースに作られたので、日本で体感する気候には合わない名称や時期があるのですが、沖縄ではそれ以上に体感しづらい点が多くあります。

例えば小雪、大雪というシーズンでも、沖縄では雪は降りません。それでも沖縄では冬を感じることとして、冬至には雑炊(トゥンジージューシー)を作って火の神や仏壇にお供えするなど生活の中にしきたりや習わしが強く根付いています。

まずは、二十四節気の沖縄の方言を紹介します。

:立春(リッシュン)、雨水(ウシー)、啓蟄(ムシウドゥルク)、春分(ハルヌヒガン)、清明(シーミー)、穀雨(ククウ)
:立夏(リッカー)、小満(スーマン)、芒種(ボースー)、夏至(カーチー)、小暑(クーアチサ)、大暑(ウーチアサ)
:立秋(リッスー)、処暑(トゥクルアチサ)、白露(ハクルー)、秋分(アチヌヒガン)、寒露(カンルー)、霜降(シムクダル)
:立冬(リットゥー)、小雪(クーユチ)、大雪(ウーユチ)、冬至(トゥンジー)、小寒(クービーサ)、大寒(ウービーサ)

次に紹介する沖縄の季節の呼び名には、この二十四節気が多く使われています。

〇ウリズン(陽春)
3〜4月(旧暦の2〜3月)頃、春分から梅雨入りまでの時期を指します。1年で最もさわやかな時期で、雨が降り大地が潤い、作物の芽が出はじめます。「潤い初(ぞ)め」が語源です。

〇ワカナツ(若夏)
4月末〜6月(旧暦の3〜4月)頃、初夏のことです。暖かくなり、ウリズンに芽吹いた草木が緑を濃くしていく季節。稲の穂が出る頃という意味もあります。ナツグチ(夏口)ともいいます。

〇スーマンボースー(小満芒種)
5月半ば〜6月初めまで、二十四節気の小満(命が少しずつ満ちる季節)から芒種(稲の種を蒔く季節)までのことです。沖縄の梅雨期で、雨が多くじめじめした季節を意味しますが、同時に大雨災害の起こりやすいことも忠告しています。

梅雨に咲くあじさい/©OCVB

〇リッスーウードゥリ(立秋大凪)
八重山地方の方言で、8月の立秋からひと月ほどの間続く、風が吹かず暑い季節のこと。八重山ではこの時期に収穫祭が盛んに行われます。

沖縄の寒さを表す呼び名

沖縄の冬はホエールウォッチングの季節/©OCVB

沖縄は12月頃から寒さを感じる季節となり、寒さを表すさまざまな呼び名が付いています。

〇フーチェビーサ(ふいご祭り寒さ)
12月上旬(旧暦11月8日)の寒さのことです。この日にフーチェ(鍛冶屋が使うふいご)祝いが行われていました。

〇トゥンジービーサ(冬至寒さ)
12月22日の冬至の頃の寒さ。この時期は沖縄にも寒波が訪れます。沖縄では冬至の日の夕方、家族の健康と子孫繁栄を願い、「トゥンジージューシー」を食べる習慣があります。

〇ムーチービーサー(餅寒さ)
旧暦12月8日のムーチーの頃の寒さのこと。沖縄が1年で最も寒くなる時期ともいわれています。

健康・長寿祈願で食べられるムーチー/©OCVB

〇ハルビーサー(田植え寒さ)
2月半ばの寒さのことです。この頃に田植えが行われました。

〇ワカリビーサー(別れ寒さ)
4月下旬〜5月上旬に訪れる最後の寒さのことです。

沖縄の天候を表す呼び名

沖縄の天候にもさまざまな呼び名が付いています。

〇ニンガチカジマーイ(二月風廻り)
3月20日(旧暦2月)頃、沖縄近海で低気圧が急に発達して、風の廻り(変化)が早くなり海が荒れる悪天候のことをいいます。

〇タカヌシーバイ(鷹の小便)
10月上旬頃、ミーニシ(新北風)の影響で天候が不安定になり、小雨が降ることです。

タカの一種・サシバ/©OCVB

〇ジュウガチナチグァ(十月夏小)
11月7日の立冬の頃、北東からの風が弱まり、タンドイベー(種取り南風)が吹き、暑くなる天候のことです。

沖縄に吹く風にも呼び名が

季節の訪れを告げる風にも呼び名が付けられていますが、それを紹介する前に沖縄方言の方角の呼び方を紹介します。

沖縄の方言では東西南北のことを、それぞれ「アガリ(東)」「イリ(西)」「フェー(南)」「ニシ(北)」 といいます。東から太陽が昇ることから東のことをアガリ、西に太陽が沈むことから西をイリと呼ぶようになったそうです(ちなみに西表島をイリオモテジマというのはこの西の読み方からきています)。

春の暖かい南風のことをハエと呼んでいたところから南のことをフェーと呼ぶようになったそう。北をニシと呼ぶ理由は諸説ありますが、沖縄の「イニシエ」の先祖が北からやって来たことから、北をイニシエと呼んでいて、それがニシに変化したという説があるそうです。

風を知ると季節が分かる!? 方角×風を表す独特の呼び名

沖縄方言で方角を指す言葉は少し変わっていますが、その方角と風を掛け合わせることで、さまざまな風の呼び名があります。

沖縄本島では東風をクシカジ、西風をイリカジ、南風をフェーカジ、北風をニシカジと呼びます。基本的には方角の呼び名に風(カジ)を付けた呼び方なのですが、東風だけは東を意味するアガリではなく、クシという言葉になっています(ちなみに東風のことを宮古島ではアガズー、与那国島ではアガイーとアガリの痕跡が残った呼び名になっています)。

〇タンドイベー(種取り南風)
11月7日の立冬の頃に吹く南風のことです。

〇シワシーベー(師走南風)
旧暦の12月頃に吹く南風のことです。

〇オオミナミ(大南風)
2月下旬頃に吹く南風のことです。

〇ウリズンベー(陽春風)
ウリズンの頃に吹く南風のことです。

〇ボースーベー(芒種風)
梅雨の時期に吹く風のことです。

〇カーチーベー(夏至南風)
6月下旬(旧暦五月下旬)の夏至の頃に吹き始める南西の季節風です。風速10mくらいの強い風が10日ほど吹き続き、晴天も続きます。琉球王国時代には、中国から琉球、琉球から九州への帆船での航海にこの風を利用したそうです。カーチーベーが梅雨明けを告げると沖縄は本格的な夏になります。

〇マハエ(真南風)
夏の時期に安定して吹く南東の季節風です。

〇ミーニシ(新北風)
10月上旬(旧暦の9月)に吹き始める北東の季節風です。琉球王国時代には、帆船が中国への航海にこの風で船出したそうです。ちょうどこの時期、渡り鳥のサシバが越冬のために沖縄にやって来たことから、沖縄の昔の人々は「ミーニシに乗ってサシバがやってきた」といっていました。ミーニシが吹き始めると、涼しく過ごしやすい沖縄の秋を迎えます。

今回紹介した沖縄の季節の呼び名は、沖縄のその時期にしか体感できないものです。沖縄で過ごすときに、その時期の季節の呼び名と意味や風の呼び名と意味を思い出して、その季節をより実感して楽しんでください。

参考図書:「沖縄しきたり歳時記」(稲福政斉著、ボーダーインク)、「おきなわの一年」(ボーダーインク編集部編、稲福政斉監修、ボーダーインク)

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