100年ぶりに復活!?  庶民に愛された沖縄の酒「イムゲー(IMUGE.)」とは

イムゲーは、焼酎でも泡盛でもない新たなジャンルの蒸留酒

沖縄を代表するお酒といえば、ほとんどの人が「泡盛」と答えるはず。日本最古の蒸留酒として約600年の歴史を誇る泡盛ですが、それとは別に明治時代の後期に沖縄の庶民に愛飲されていた島酒があったということをご存じでしょうか。

その名は「イムゲー」。なんともインパクトのある名前のお酒ですが、時代の流れと共にイムゲーは廃れていきました。それから100年あまりたった今、沖縄の庶民に愛飲されていたイムゲーを復活させる動きがあります。今回はイムゲーに関する歴史や復活に掛けた思いなどを紹介していきます。

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庶民の歴史の中に埋もれていた島酒・イムゲーとは

イムゲーの主原料は当時、甘藷(かんしょ)と呼ばれていたサツマイモ

イムゲーは明治時代後期の1600年頃から沖縄で飲まれていたお酒で、「芋下」と書いてイムゲーと読みます。字から分かる通り、「下の酒」、つまり、庶民の酒でした。それに対して、今でこそ気軽に飲める「泡盛」は、琉球王国時代は上流階級が飲む「上の酒」。輸出用の商品でもあり、大変貴重なものだったとのことです。

そのため、庶民は主食として栽培していた芋や黒糖を使って自分たちで酒をつくったそうです。芋焼酎は麹に水と酵母を加えて一次発酵させ、さらに甘藷(かんしょ・漢名でサツマイモを指す)を加えて発酵させる二次仕込みでつくりますが、イムゲーは二次仕込みの後にさらに黒糖を加えて発酵させる三次仕込みを行います。現代ではこのようなつくり方をするお酒はないので、昔の人が飲んでいたお酒ではありますが、現代においても画期的なお酒だそうです。

その後歴史は流れ、1879年に琉球王国は沖縄県となり、日本政府の酒税法に基づき、琉球王国では課税の対象ではなかった自家製酒のイムゲーにも酒税が課されることになり、この庶民の酒は廃れ、100年もの間、忘れ去られることとなりました。

復活のきっかけは現代の島酒づくりの担い手の探究心だった

イムゲー復活の旗頭となった請福酒造は石垣島の酒造メーカー

歴史と共に忘れ去られたイムゲーですが、泡盛を製造する請福酒造有限会社、株式会社久米島の久米仙、株式会社多良川、有限会社今帰仁酒造の4酒造所が庶民に愛されていた島酒の復活に向けて立ち上がります。

そこで、歴史の中に忘れ去られた酒を現代によみがえらせたIMUGE.プロジェクトリーダーでもある請福酒造の漢那憲隆(かんな・けんりゅう)社長に、イムゲーの開発秘話などを伺いました。

かつてのイムゲーを今の酒づくりの技術で現代風にアレンジ!

漢那社長は泡盛を取り扱う中で、「そもそも、沖縄は米栽培が盛んではないのにどうして泡盛をつくっているんだろう?」という疑問を持ち続けていたそうです。専門家の先生らにも協力してもらってその疑問をいろいろと調べているうちに、イムゲーという芋でつくる酒があったことを知ります。

「芋は沖縄で栽培しやすいし、これは利にかなっている。酒としてだけではなく、沖縄の農業を活性化し、新たな産業になりうる可能性もある。これは復活させなきゃいけない」と思い立った漢那社長。100年以上も前に消えてしまったお酒ではありましたが、製造方法に関しては専門家が民俗調査に来た際に発見したレシピが残されていたそうです。

しかし、現代の酒づくりは製造法も進化していることから、昔と同じようにやるのは意味がないと考え、今の技術でお酒をつくる方法を模索していきます。「私たちがやるべきことは、沖縄県産で原料を作って、現代の技術を駆使して、今の沖縄の人たちが好む酒をつくることだ」という漢那社長の思いがありました。世界へ“琉球スピリッツ”として認知されるよう、商品名はアルファベット表記に。昔、庶民に愛されていたイムゲーは、現代技術の力によって復活し、「IMUGE.」へと進化します。

沖縄の農業を中心とした酒づくりに挑み、幻の酒を完成させた!

請福酒造ではIMUGE.の原料となる紅芋の栽培も行っている

製造するにあたり、味をできる限りおいしくしようと努めたそうです。それに加え、農業との関わりも重要視。種を植えてお酒になるまで1年半もの時間が掛かり、そこで見えてくる問題を一つずつクリアしていくことにこだわります。

漢那社長は「イムゲーの復活を通して沖縄の農業を中心とした新たな産業を作りたかった。酒づくりだけではなく農業から全ての流れに関わって、これからも継続してイムゲーをつくっていく土台を育てることが重要」と語りました。

IMUGE.を泡盛に続く第2の地酒に

請福酒造の「IMUGE.」は一升瓶からワンカップまで6種がラインアップ

手間暇が掛かる分、まだまだ高額なIMUGE.。「芋を作る人が増え、酒を造るメーカーも増えれば、産業として成り立ち、そうすることでイムゲーの価格も下がって昔のように皆さんに気軽に飲んでもらえる酒になる。そうすれば、いつの日か泡盛に続く第2の地酒になれるかもしれない。地方で商売をやる以上、地域に根付いた産業を生み出せないと意味がない」と未来への展望を口にします。

現在4酒造所が製造販売を行っているイムゲー(IMUGE.)は、沖縄県産の紅芋と黒糖を使っているので、飲むと柔らかい甘みを感じ、香りの甘さも印象的で酒のアルコール臭さが苦手という女性にもおすすめです。また、柑橘系との相性が良いそうで、ハイボールにしてレモン果汁などを加えても良し。イムゲーそのものを味わいたい人はロックでも楽しめます。

IMUGE.はオリオンビール公式通販のほか、沖縄県内のスーパーマーケットなどでも購入可能。沖縄の庶民の歴史に思いを馳せながら、ゆったりと味わってみてください!


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多良川『IMUGE(イムゲ―)』37度 720ml
久米島の久米仙 『IMUGE(イムゲ―)』25度 720ml
今帰仁酒造『今帰仁 IMUGE.(イムゲ―)』25度 720ml