「首里城〜正殿まで〜」首里城のおさんぽ前編【世界遺産めぐり】

沖縄の魅力に歩いて触れる「おさんぽ」シリーズ。今回は、2019年10月31日に火災で正殿などが焼失した首里城公園を歩きます。焼失から2カ月後となる2019年12月に、正殿や北殿、南殿などがあった中心部エリアが開放され、少しずつ復元への道を歩み始めています。

今回も、那覇市観光協会が主催する「ガイドと歩く 那覇まちま〜い」の人気コースの一つ「首里城物語り」にお邪魔させていただき、その模様を前後編にてご紹介いたします。ガイドを担当するのは、島袋現市(しまぶくろ・げんいち)さん。よろしくお願いします!

「首里城物語り」のガイドを担当する島袋現市(しまぶくろ・げんいち)さん

「守礼門」からスタート

スタートは、2,000円札紙幣にも描かれている「守礼門」。門と言っても扉がなく、中国風の三間牌楼(さんけんはいろう)形式で、左右に比べて真ん中の柱の間隔が広くなっています。当時は、この真ん中は、明や清の皇帝の使者・冊封使(さっぽうし)で琉球を訪れた明や清の高官しか通れなかったそうです。今回はせっかくなので、真ん中を通って進みます。

首里城公園のシンボリックな存在「守礼門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):守礼門

世界遺産「園比屋武御嶽石門」

続いてのポイントは、「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」です。ここは神聖な場所で、国王が城外に出掛ける際や、琉球の最高位神女・聞得大君(きこえおおきみ)の即位式の際にもここで拝して、南城市にある斎場御嶽(せーふぁうたき)に向かったといわれています。

世界遺産に認定されている「園比屋武御嶽石門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):園比屋武御嶽石門

この園比屋武御嶽石門は沖縄戦で一部損傷しましたが、首里城公園の中では数少ない、当時の様子を残す場所で、世界遺産にも認定されています。

実は世界遺産と言われている首里城は、正式には、正殿下部に残る正殿の「遺構」と、この「園比屋武御嶽石門」の2カ所。無料エリアにあるにもかかわらず、園比屋武御嶽石門は大変貴重な遺産となります。

ちなみに、この門の背後に広がる森一帯が園比屋武御嶽という聖地になっていて、門だけでなく、背後の森に思いを馳せてください。

訪れる人を歓迎する「歓会門」

続いて現れるのは、「歓会門(かんかいもん)」。冊封使の面々や訪れる人への歓迎の意を込めて、命名されました。

訪れる人を歓迎する「歓会門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):歓会門

めでたい水が絶えない「瑞泉門」

歓会門で歓迎の意を表されたら、「瑞泉門」が見えてきます。「立派なめでたい泉」ということを意味する瑞泉という名の通り、手前に「龍樋(りゅうひ)」と呼ばれる湧水のスポットがあります。王宮の大切な飲み水としても使われていたそうです。

水に関する命名がされた「瑞泉門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):瑞泉門

ちなみに、この龍樋の周辺に「冊封七碑(さっぽうしちひ)」と呼ばれる7つの碑が立っていることに気づく方も多いと思います。歴代の冊封使たちは龍樋の水の清らかさを讃えて、漢詩を詠んだり題字を残したりしましたが、その文字がかたどられています。

王宮の大切な飲み水とされた「龍樋」/国営沖縄記念公園(首里城公園):龍樋

「泉の水量や水質は琉球第一」という大意の「中山第一(ちゅうざんだいいち)」など、その水は多くの人に称賛されました。

「中山第一」の石碑/国営沖縄記念公園(首里城公園):「中山第一」の石碑
「飛泉漱玉」の石碑/国営沖縄記念公園(首里城公園):「飛泉漱玉」の石碑
瑞泉門前のシーサー/国営沖縄記念公園(首里城公園):瑞泉門前のシーサー
瑞泉門前のシーサー/国営沖縄記念公園(首里城公園):瑞泉門前のシーサー

琉球王国の時を刻んだ「漏刻門」

続いては「漏刻門(ろうこくもん)」が現れます。ここはかつて、櫓(やぐら)の中の水時計で城の内外に時を知らせていました。ただ、1739年に、その水時計が不完全であるとされたため、太陽と「日影台(にちえいだい)」でできる影を使った時刻が琉球王国の時を刻んでいくようになります。その日影台が漏刻門をくぐった先に設置されています。

「かご居(い)せ御門(うじょう)」とも呼ばれた「漏刻門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):漏刻門
往時もこの場所に置かれていた「日影台」/国営沖縄記念公園(首里城公園):日影台

この日影台のさらに奥には、「万国津梁の鐘(ばんこくしんりょうのかね)」のレプリカが。鐘には「琉球国は南海の美しい国で、朝鮮、中国、日本との間にあり、船を万国の架け橋とし、貿易によって栄える国である」という意味の漢文が記されています。

万国津梁の鐘のレプリカ/国営沖縄記念公園(首里城公園):万国津梁の鐘

そして、万国津梁の鐘の実物は、沖縄県立博物館・美術館に展示されています。歴史資料では1458年に首里城正殿に掛けられていたと記録されていますが、具体的な設置場所が不明であるため、ここに設置されているそうです。

遠く東シナ海も臨むことができる/国営沖縄記念公園(首里城公園):漏刻門

券売所も兼ねる「広福門」

「広福門(こうふくもん)」を過ぎると、いよいよ「下之御庭(しちゃぬうなー)」が現れ、中央エリアへと入っていきます。

券売所も兼ねている「広福門」/国営沖縄記念公園(首里城公園):広福門

ここ下之御庭では、現在、正殿エリアの復元作業を行う簡易作業場が設置され、連日、作業が行われています。2026年の復元を目指して…。

“首里城発祥の地”京の内へ

券売所で正殿エリアの入場券を購入しますが、まだ入りません。下之御庭南側の石垣の向こう側に、“首里城発祥の地”とも言われる大事なエリアがあります。

正殿エリアに入る前に「京の内」へ/国営沖縄記念公園(首里城公園):京の内

「京の内(きょうのうち)」と言われるここは、城内最大の信仰儀式の場。琉球独自の信仰の最高位に位置する聞得大君や大アムシラレといった神女(しんじょ)たちが、ここで王家繁栄、航海安全、五穀豊穣(ごこくほうじょう)、国王の長寿などを神に祈っていました。

京の内にある御嶽/国営沖縄記念公園(首里城公園):京の内
京の内にある御嶽/国営沖縄記念公園(首里城公園):京の内
京の内にある御嶽/国営沖縄記念公園(首里城公園):京の内

この京の内にある首里、儀保、真嘉比の3つの行政区の拝みの場所・御嶽(うたき)のほか、首里城公園内には10の御嶽があると言われていて、現在9つの御嶽が見つかっているそうです。残りの1カ所がどこなのか、気になりますね。

「西(いり)のアザナ」で那覇港方面や遠く水平線上に慶良間諸島の絶景を楽しんだ後は、いよいよ正殿エリアに向かいます!

「西(いり)のアザナ」からの眺め/国営沖縄記念公園(首里城公園):西のアザナ

正殿エリアは後編にてご紹介します。首里城のおさんぽ後編はこちら

「ガイドと歩く 那覇まちま〜い」の情報はこちら


オリオンビールの首里城再建支援の取り組み

オリオンビールでは、首里城の一日も早い再建を願い、昨年に続き「ザ・ドラフト 首里城再建支援デザイン缶・びん第2弾」を数量限定で発売します。首里城火災から約1年が経過する中、再建のさらなる気運を高めるべく、オリオンビールでは継続した活動を行っていきます。

1本あたり3円を首里城復興までの期間における、沖縄県民の心に留めるための活動の支援や、チャーギの植樹に活用する予定です。本デザインは第一弾同様、首里城のイラストと首里城の装飾にも使用されている流水紋を紅型風にあしらいました。

オリオングループでは、沖縄県民の笑顔につながるための首里城の再建を心より願っております。

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