沖縄出身イラストレーターPokke104さんに聞く、沖縄のアートシーンへの想い(前半)|#オキナワッタインタビューvol.3

インスタグラムメディア「オキナワッタ」では、沖縄の魅力を発信するチューハイブランド「WATTA」にまつわるストーリーや、沖縄の新しい魅力、活躍する人物などを紹介しています。

そんなオキナワッタがお送りする、インタビュー企画🗣💬

「オキナワッタ」の中の人、MANARiNが、沖縄で活躍する面白くて素敵な方々にインタビューしてご紹介していきますので、ぜひお楽しみくださいっ♩

今回は、沖縄出身アーティスト pokke104(池城由紀乃)さん!

イラストレーター pokke104 池城由紀乃さん。

第3弾となる今回のオキナワッタインタビューは、沖縄から、県外、海外へと幅広く活躍されている沖縄出身イラストレーターのPokke104(池城由紀乃)さん!

オリオンビールから発売中のちゅらWATTAのラベルデザインもしてくださっており、沖縄を感じるような、あたたかくて可愛らしいアートを世に届けている、そんな Pokke104さんにインタビューしてきました!

沖縄から東京へ

MANARiN(以下M):沖縄から東京へ進出して、いろんなデザインやアート活動をなさっていると思うんですけど、その流れと言いますか…その成り行きを聞かせてください。

Pokke104さん:あのねー、私は沖縄が大好きすぎてですね、本当に東京とかに住むイメージが自分の中になかったんですけど、結婚を機に東京に移住したんです。それもどっちが東京行くか沖縄行くかでずっと3年間くらい遠距離(恋愛)をして、やっとって感じですね。

M:へ〜!そうだったんですね〜!

Pokke104さん:ちょうどオリオンの麦の雫のCMをオンエアしてた時期だったんですけど、その時に一緒に夫婦役で共演していた与座さんが、ちょうど同じタイミングで結婚する予定だったんですね。それでCMの撮影の合間に、夫婦の面白エピソードみたいな話しながら撮影していたんですけど…

オリオン麦の雫 CM に夫婦役で出演したPokke104さんと与座さん。

東京に住んでいても沖縄料理店みたいなのがいっぱいあるし、何か沖縄祭りとか、あとうちの近所でエイサーの練習をする音とか聞こえるんですよ!

M:すごい!

Pokke104さん:今コロナの影響でお祭りとかやってないけど、豪徳寺沖縄祭りみたいなイベントとかをしていて、なんかね、頻繁に沖縄に戻っているみたいなこともあったので、東京に住んでいるみたいな感覚がいまだにゼロなんですよ〜(笑)

M:そうなんですね〜!(笑)

Pokke104さん:描くのもやっぱり沖縄のことだったり、ウチナーンチュ友達が周りに多いから…

M:どこにいても、沖縄を感じながら生活しているんですね〜笑

Pokke104さん:そうなんですよ〜!今ずっとまなりさんは沖縄ですか?

M:そうですね、生まれてからずっと沖縄です!沖縄市出身です。

Pokke104さん:沖縄市!一緒!一緒!

M:あ、そうなんですか!

でも喋り方で、もしかしたら中部かなって思いました、イントネーションが(笑)

Pokke104さん:あ、ほんとに?!

M:特徴あるって言われますよね!

中部のなまりとかイントネーションって(笑)特徴的って言われませんか?

Pokke104さん:私どこにいても「どこのなまり?」って聞かれることが多くて…(笑)

M:そうなんですか!色んな場所の話し方が混ざってるんですかね〜(笑)

Pokke104さん:混ざってるんでしょうね!(笑)私、生まれも育ちもコザです!

M:あ〜!そうなんですね!自分美里なんですよ!

Pokke104さん:美里!近い、近いじゃないですか〜!(笑)

エイサーが、すごいクオリティが高いですよね!

M:ありがとうございます!嬉しい〜(笑)

Pokke104さん:こういう共通点があるとは!

M:ホントですね!びっくりしました〜!

現在のデザインや絵のタッチについて

Pokke104さんの作品。

M:それからデザインとか、アート、絵をはじめたのはいつからなんですか?

Pokke104さん:えーとね、絵を描くとかそういうのは元々好きで趣味で描いてたんですけど、絵を描く仕事っていう形になると…。

私元々最初はホテル業だったんですよ。その頃アートに関わる仕事って画家だけだと思ってたんですけど、なんか何かしら物作りをしたいっていうことで、専門学校まで行ったのに、急に飲食のポップを作っている時にポップコーンがはじけたように「広告の世界に入りたい!」ってなって、そこから勉強して、近代美術っていう印刷会社にいました。

M:そうなんですね〜!

Pokke104さん:そこで選挙の名刺とか作ったりして…めちゃめちゃアートな絵とか、その時は描いてなかったんですけど、そこから広告の世界を見ていくようになって、徐々に絵を描いて、その現場の先輩に見てもらってアドバイスをもらいながら、そういうのでどんどん自分のやりたかった展示会とかに挑戦するようになりました!

M:へ〜!そうだったんですね!

Pokke104さん:だから最初、やっと就職したのに、急に絵を描きたいって言って辞めて、個展しだすって言った時は、家族みんなに頭おかしくなったんじゃないかって言われました!

M:あはははは!(笑)

じゃあ普通に仕事して、広告会社にいながら、趣味で絵を描いてたって感じなんですね!

Pokke104さん:はい!「カイナアートフェスタ」って言って、当時…もう20年前かな?

沖縄のアーティストさんたちが、ちっちゃなブースを借りて展示会(展示販売)みたいなのをするんですけど、その時にあった友人たちにもすごく恵まれていて。

その時にYOKANGのカンナさん、大城英天さん、あと大城清太さんとか、アリカワコウヘイ!さんにも会って、今でも繋がっているアートメンバーと出会うきっかけができて、色んな情報交換とか刺激をもらいながら、今でも良い付き合い、コラボレーションしたりとかしていて。そういう環境があったから今があるのかなって思いますね〜!

M:なるほど〜!そこでの出会いから色々つながっていったんですね!

Pokke104さん:一番人の出会いって、とても大きかったです!

M:素敵ですね〜!

Pokke104さん:ウチナーンチュってこう…助け合うじゃないですか!どこにいても!

私海外に行って一番よく思ったのが、ウチナーンチュでよかったな〜って思うことがとっても多くて、ロンドンで展示会した時も、香港でイベントやった時も、みんななんかね、サポーターがいるんですよ!笑

M:へ〜!ウチナーンチュのですか?

Pokke104さん:うん!びっくりするくらい!

なんだったかな、県人会とか?なんかイベントで一緒になった時に友達になって、すごく困った時も、全然初対面なのに助けてくれたりとか、あと応援に見に来てくれたりとかで…

M:へ〜!嬉しいですね!

なんか「沖縄」っていう一つの繋がってる部分で、みんな嬉しくなって応援したくなるんですかね!

Pokke104さん:あれなんなんでしょうね!日本全国どこ探しても、沖縄パワーって凄まじいものがある気がする!世界のウチナーンチュ大会とかもありますもんね!

M:うんうん!ちょうど地球の裏側にあるボリビアにも、コロニア・オキナワていうウチナーンチュの村みたいなのがあって、本当に大城さんとか島袋さんとか、そういう名前の人たちが、そこの言葉も喋りつつ、ウチナーグチも継承しつつ…みたいな環境があるらしくて、ウチナーンチュ大会で地元の沖縄の人と会った時も、本当に沖縄の人と喋ってるみたいに普通に会話できたらしくて…私の友達が参加してたんですけど…沖縄のこの繋がりというか、ルーツからどんどん世界に広がってるウチナーンチュの血って濃いよ〜!って話をしてました!

Pokke104さん:うわー、なんか熱いものがありますね!

そこでウチナーグチ聞けたりとか、自分の故郷を感じれるものがこんな身近にあったんだっていう…やっぱり沖縄で感じるのと、別の場所で沖縄を感じる感覚って大きく違うじゃないですか。外で感じる沖縄って、改めて、見たり聞いたりする時にお守りみたいな感覚になってくるのかなって思います!

私も身につけてるものとか、沖縄の作家さんのものだったりとかを身につけることが多いんですけど、お守りというか、やる気を出す為のアイテムの一つにはなってますね!

ま:あ〜なるほど!

でも、ポッケさんのデザインが入ったアイテムも、同じように沖縄からでたウチナーンチュとかそういう人たちのお守りみたいなアイテムになってる気がしますね!

Pokke104さん:しますね!沖縄モチーフじゃなくてもなってるような…体の中で吸収されてるような感じがありますね!

DFS沖縄のイベントにてライブペイント中のPokke104さん。

M:なんかそういう使ってる色合いとか、色の組み合わせとか見てて思うんですけど、沖縄で生まれ育って、沖縄が好きだから、沖縄の色彩とかに影響を受けて…温かみのある…カラフルだけどどぎついとかじゃなくて柔らかさのある色合いで…

たくさん色を使いすぎるとゴチャってなるじゃないですか、そういうのを感じない色の組み合わせがいつも素敵だな〜って思ってました!

そういうところがポッケさんの沖縄を愛する気持ちが現れてるのかなあって思います!

Pokke104さん:ありがとうございます!

そういう風に汲み取ってくれるの本当にありがたくて、光栄です!

M:小さい頃から絵を描くことが好きとおっしゃっていたんですけど、今のようなデザインを描くようになったのはいつからですか?

Pokke104さん:広告代理店にいた時に、絵を描くというより選挙の名刺みたいな文字組を主にやっていたんですけど、自分の個展をやりたかったので、カイナアートフェスで、まだその時2点しか絵を描いてなかったんですけど、先にブースを借りて、自分を追い込んだんですよ。1ヶ月で50点くらい絵を描きまくったんですよね。そしたら、それが今のタッチになりましたね〜。

それまで私、芸大に行ったとかではなくて、図書館の美術とかアートコーナーとかを片っ端から見てたんですよ。本屋さんも全部見てたりとかしてて、そういうものが沖縄の文化とかもそうなんですけど、チャンプルーされて、今があるって感じですね。

昔の絵はね…、あ!1番初期の絵が、まだこれ言ってなかったんですけど、実はオリオンのビール工場のランプシェードになってます!花柄の!工場に合ったかな?あれが、私の1番初期の作品で、、

オリオンハッピーパーク2Fレストランのライトシェーディング。
Pokke104さんの初期作品がデザインになっています。

かいなアートフェスで、最初に私はこういう作品を描いてますっていうのを主催者に見せるんですけど、この花の絵と、あと牛の絵があって、この2点だけ持ってて…(笑)それからどんどん作品を作っていったんですけど、もう追い込まれました(笑)その50点ぐらいの作品が、こう今のタッチになっているから、その原点の作品がオリオンの工場のランプにあるから…。今もあるかな?

ランプシェードのデザインとなった絵の原画。

M:その時1ヶ月で一気に50点描いたんですか!?すごい量ですよね!!

Pokke104さん:描いたんですよ〜!朝から晩まで、仕事が終わって…もうベッドに眠りにつく瞬間までペン握ってましたね。そのエネルギーがあった時かな…。笑

M:え〜!すごい!でもやっぱり描きたいって熱がないと行き詰まるじゃないですか。その時本当にそういう熱があったからあんなに描けたんですね!

じゃあ、その時に書き込んだタッチが今もそのまま繋がってるんですね!

Pokke104さん:そうですね〜!最初の絵ってなかなか〜なんですけど、それがまた味になって…あの時の絵に戻そうと思っても難しいですね〜。やっぱりその時その瞬間瞬間で、作品は若干違いますよね。

M:どんどん積み重なっていきますもんね。

Pokke104さん:うん、そうですね〜!ちょっとずつ自分も成長していけたらいいな〜と思ったり、表現方法も少しずつ変えていたりするので…。またこれからも、常に新しい発見と、ワクワクしながら描いて行きたいですね〜!

M:ワクワクっていいですね〜!自分が楽しいって思えるから続きますもんね!

Pokke104さん:まなりんさんは、ワクワクするものってありますか?

M:自分は大学卒業してから好きなことしか仕事にしてないんですよ!

人生の中でも仕事してる時間って長いじゃないですか。だから、周りは休みの日は休みで自分の好きなことして、仕事は仕事で収入を得る手段って分けて考える人もやっぱり多いんですけど、自分は楽しくないと続かないので…(笑)やりたい仕事をやりたいと思って…。

自分は大学の頃、沖縄のことを学ぶ学部にいたんですよ。そこでサークルでガイドをしながら沖縄の魅力を伝えるっていう活動をしてたんですけど、それが楽しくて、沖縄を発信する仕事がしたいなーと思って、今もそれが続いてるんですけど…

Pokke104さん:なんて素敵な…

M:ほんと地元民だからこそ知らない沖縄って多くて、自分も沖縄のこと知ろうと思ったきっかけが、自分のおばあちゃんと父の方言の会話を全て理解できないことに危機感を覚えたりとか、自分たちの世代で沖縄のウチナーグチの継承を止めてしまうんじゃないかっていうことも考えたりして、楽しい学び方とかもあるんじゃないかと思って、それを自分たちの世代や後世の世代たちにも伝えていきたいなと思いました。それで自分も学んでいく上で、新しい発見や学びもあるし、自分をきっかけに沖縄を好きになってくれる人がいるのが楽しくて、そのワクワクでずっと続けてますね!

Pokke104さん:あ〜!だからまなりさんのインスタって、その思いがギュッと詰まってますよね!オシャレだし、沖縄も感じるし、見てて楽しいし、これからも投稿楽しみにしています!生き方もすごい素敵で、とっても共感します!

M:ありがとうございます〜!嬉しい!でも、私もポッケさんの絵を見て、沖縄っていいな〜って改めて感じる県民も多いと思います!そういう経験ありますか?

Pokke104さん:だからね、私旧姓名乗ってるんですよ!(笑)

自分の表現するものが、沖縄ベースにしたアイデンティティもそうなんですけど、そういったものが私の中にあるので…今まで育った沖縄の姓でやってます。

プライベートでは、結婚した今の姓で過ごしているので、「池城(いけしろ)」ってなると、ビビッと仕事モードというか、アート、表現するモードに入ってきたりとかしますね!

M:へ〜すごい素敵!

Pokke104さんと沖縄

M:ポッケさんの作品を見て、「沖縄っていいな〜って感じたよ〜!」とかそういう反応をいただく機会とか嬉しかった経験って今までありますか?

Pokke104さん:たまにありますね。やっぱり沖縄を感じるとか、私も作品の中で沖縄の文化とかストーリーだったり、絵だけど見て言葉が感じられるものを表現したいっていうのはありますね。

それが伝わってくれたら嬉しいですね〜!

M:今日の背景(ZOOMのバーチャル背景)も素敵でさっきからチラチラ見ちゃいます(笑)

Zoomインタビューの背景になっていた作品。

Pokke104さん:これも首里城が燃えて2年になるんですけど、地元の再建を願う気持ちだとか、それが色んな人の励みになったりとか、首里城の根っこの文化を学ぶ機会を与えられてる気がして…

沖縄の珊瑚礁があったからこの建造物になったりとか、石畳もそうなんですけど、海に関わるものってあるので、下に海の珊瑚とかそこに住む生き物とか、っていうのを描きました。

踊りもそうなんですけど、踊りで色んな国の人と交流を結ぶ、戦いじゃなくて文化で芸術で、っていう気持ちってとても誇らしいなと思って…そういう意味とかメッセージとかを絵の中に入れて表現しています。

M:いいですね〜!自分が思ってる感情とか伝えたいメッセージをアートで表現できるって、できない人が多いからこそ、すごい素敵だなって本当に思います!

首里城の絵も、色んな方が描いてますけど、本当にポッケさんの首里城は、優しい首里城ですよね!みんなが集まりたくなるような場所に感じます。

Pokke104さん:この前首里城のプロジェクションマッピングも見てきたんですよ〜!感動して涙が出てきました。みんなの首里城や首里に対する思いが言葉で流れていくんですけど、あれがね〜、また、ウチナーンチュじゃない方々の、こんなにも沖縄を思ってくれる人の想いって、もっと私たち地元の人たちも是非見てもらえたら元気になるんだろうな〜って見ながら考えてました。

M:そうですね〜!本当、県民も、今まで当たり前にあったからこそ、いきなり無くなったって時に、自分の中でこう首里城って大きい存在だったんだなぁって気づいたと思うし、自分も首里に生まれたわけではないけど、沖縄のシンボルである首里城が燃えたっていう事実を見た時に、びっくりするくらい涙が出てきて…こんなに大きいものだったんだ!ってその時に気づいて…

でも、落ち込むのはもちろんだけど…首里城公園内に、「甦る首里城之碑」ってあるじゃないですか。あれを見て、そっか、何回も燃えたりしたけど、その度に何度もこう甦ってきたのが首里城だから、みんなの気持ちと、これからも繋いでいこうっていうパワーで絶対甦るな〜っていう前向きな気持ちも出てきて…。私と同じように思った人も多いと思うから、そういう意味でも、ウチナーンチュのパワーとか、自分のルーツがある場所に対する思いって、気づかないうちにあるもので、それがこの、悲しいことではあるけど、首里城の火災をきっかけに、沖縄っていう場所に対して、地元の人たちが愛を確認したというか、そういうのはあったなぁと思いました。

Pokke104さん:去年から今年にかけて、コロナとかもそうですけど…たくさんのことを教えてくれてるな〜っていうのは感じること多いなぁって。日々の日常に感謝することもそうですよね!


沖縄から東京、そして海外へ、現在も活躍の幅を広げるなか、自分のルーツを大切にしながら、たくさんの人々に絵を通してメッセージを伝え続けるPokke104(池城由紀乃)さん!

趣味で描いていた絵を本格的に始めたきっかけやその時の努力、そしてステキな出会いが今も繋がっていることなど様々なお話を聞かせていただきました!

ウチナーンチュであるPokke104さんが、大切にしている沖縄の心や地元愛、旧姓である「池城(いけしろ)」を使い続けている理由なども知れて、話しながらもすごく深い沖縄愛を感じられ、私も嬉しかったです!

さて、3記事に渡ってお届けするPokke104さんのインタビュー前半はここまで! 続く記事もお楽しみに♪

WATTAにまつわるストーリーや、沖縄の魅力など、たのしいトピックを紹介するインスタグラムメディア 『#オキナワッタ』 も要チェックです!

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