世界文化遺産「琉球王国のグスク」の楽しみ方 座喜味城跡編【世界遺産めぐり】

沖縄本島中部の読谷村(よみたんそん)に、沖縄県を代表する城(グスク)である座喜味城跡があります。読み方は「ざきみじょうあと」。2000年に世界文化遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つです。

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「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つ・座喜味城跡/©OCVB

座喜味城跡の歴史

座喜味城跡は1956年に琉球政府の重要文化財に指定され、日本復帰の1972年には国指定史跡に。翌年の1973年から1985年の間、文化庁・沖縄県の補助を受けて城跡の発掘調査や城壁修理が進められていきました。

この座喜味城がつくられたのは、1420年代。尚巴志(しょう・はし)が琉球王国の初代国王となった頃。国王に対抗する勢力を監視する目的で、有力な地元領主の按司・護佐丸(ごさまる)によって築城されました。

尚巴志の今帰仁城(なきじんじょう)攻略に参加した護佐丸は、その時の働きが讃えられ、領地を現在の恩納村(おんなそん)から読谷村へと移したといわれています。

城をつくるにあたり、遠く奄美諸島からも人夫を呼び寄せ、山田城を解体して手渡しで石を運び、石を積んでいったと伝えられています。

見どころは沖縄に現存する最古の石造りの門

この座喜味城跡の最大の見どころは、沖縄戦の戦禍を逃れた、沖縄に現存する最も古い石造りの二の郭のアーチ門。座喜味城の城門のアーチは、門の強度を高めるために真ん中にクサビ石があるのが特徴です。

築城技術の高さがうかがえるアーチ門/©OCVB

中城城跡(なかぐすくじょうせき)を拡張させて“築城の名手”といわれた護佐丸だけあり、この座喜味城も実に美しい城として、訪れる人を魅了しています。

美しさと軍事的優位性を兼ね備えた座喜味城

正面の城壁は、波打つように大きくせり出ています。これは、攻めてきた敵を倒すための工夫で、身を乗り出さなくても下の様子が見えて多方向の攻撃にも有利だったと考えられています。

軍事的にも有効だった石垣のせり出し/©OCVB

城の中には、奥へ導かれるように見える通路がありますが、実はこれ、突き進んでいくと行き止まりになります。これは、敵を追い詰めて城壁の上から攻撃を加えるための「袋路」といわれるもの。この座喜味城は特に軍事的な面を考えて作られていたことが分かります。

座喜味城の城壁は曲線の美しさだけでなく、その壁の厚みにも特徴があります。これは、粘土質の赤土という弱い地質の上に築かれている関係で、その弱さを補って崩れにくい構造にするための工夫でもあったそうです。石垣は、石をかみ合わせて積み上げた「相方積み(あいかたづみ)」と、日本の築城様式にも見られる「布積み」、自然に石を積み上げた「野面積み(のづらづみ)」で築かれています。城門は沖縄に現存する最古のアーチ門で中央部にはクサビが打ち込まれています。これは他の城には見られない座喜味城独自のもので、築城技術の高い護佐丸ならではのアクセントになっています。

築城技術の高さがうかがえるアーチ門/©OCVB
城壁の厚さが分かりますね/©OCVB

美しいサンセットが見られる夕方がおすすめ

この座喜味城も高台に築かれていますので、上るにつれて絶景が姿を現します。上からは残波岬(ざんぱみさき)や恩納村の青い海、晴れていれば、那覇市や慶良間(けらま)諸島まで望むことができます。山の多い北部と、平地が多い中南部を一望できるので、沖縄本島の景観の違いを感じられるのもポイントです。当時も東シナ海を通過する船がいち早く発見できたでしょうから、城を守る観点からもベストの立地だったといえるでしょう。おすすめはサンセットの時間。夕方を狙って城壁の上に立つと、東シナ海に落ちる美しい夕日を望むことができます。

城壁が青い空に映えます/©OCVB

沖縄戦当時の座喜味城

琉球王国時代から地理的に重要な軍事拠点だったこともあり、沖縄戦の際、日本軍の高射砲陣地に。そのため、座喜味城はアメリカ軍により集中攻撃を受けて破壊されてしまいました。さらに、戦後も米軍のレーダー基地の建設のため、城壁やアーチ門の多くが破壊されてしまいます。そんな状況にもかかわらず、二の郭のアーチ門が築城の頃の様子を伝えてくれているのはまさに奇跡的! そんな歴史に思いを馳せながら見学してみてください。

正殿跡/©OCVB

座喜味城など読谷村の歴史を学べる「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」

また、座喜味城跡には、2018年6月23日にリニューアルオープンした「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」が隣接しています。ここは、1975年に「読谷村立歴史民俗資料館」としてオープンした、読谷村の歴史を伝える施設で、リニューアルしたミュージアムは、1階の展示室に座喜味城跡や読谷で育まれた自然・文化遺産を展示しています。また、2階の展示室は、考古・民俗・自然・沖縄戦について展示。戦禍を逃れるために県民や日本軍が身を隠した「ガマ」や、沖縄の伝統的な墓「亀甲墓(かめこうばか)」などのジオラマを通して、歴史を詳しく学ぶことができます。

世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム
世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアムにある座喜味城跡のジオラマ
「亀甲墓」の模型

琉球王国、沖縄戦など、沖縄の歴史における節目に大きな役割を果たしてきた座喜味城。そんな歴史的意義と一緒に巡ってみませんか。

「座喜味城跡」
住所:沖縄県中頭郡読谷村字座喜味708番地6

「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」
住所:沖縄県中頭郡読谷村字座喜味708番地6
電話番号:098-958-3141
「世界遺産座喜味城跡ユンタンザミュージアム」公式サイト


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