オリオングループが提案するアルコール飲料との付き合い方

お酒は人とのコミュニケーションを円滑にし、本音で話し合いお互いの距離を縮めるなど、役に立つことが多いです。しかし一方、過度の飲酒により、アルコール依存や肝疾患といった病に悩まされる方がいらっしゃることも事実です。では、心が満たされ、身体も健康に、楽しく人生を過ごすためには、どのようにお酒と付き合っていくべきでしょうか。
オリオンビールは、お酒は“長く、楽しく付き合うもの”として、“適正飲酒”を推奨します。沖縄県が運営されている健康おきなわ21のHPには、具体的な数値で適正飲酒量が示されております。こちらの数値が目安となりますが、アルコール分解速度にはかなりの個人差がありますので、お一人おひとりがご自身の純アルコール摂取量を日々意識いただくことが重要となります。
またお酒を飲む際は、ゆっくりと食事を摂りながら水やお茶などのチェイサーを挟んだり、週に2日ほどはノンアルコールデーとするなど、長く健康的に美味しいお酒を楽しんでいただくことを意識していただければと思います。
オリオンビールでは、たくさんのお客様に弊社商品をご愛飲いただきたいという願いとともに、一方ではアルコールメーカーの責任として、アルコール疾患の減少や、沖縄県で大きな課題となっている飲酒運転の撲滅にも焦点を当て、健康長寿県沖縄の復活に貢献したいと強く感じております。また、低アル・ノンアル商品の開発や飲み方提案等の発信を通し、アルコールが苦手な方や飲酒を控えられている方も一緒に笑顔で楽しめる“場”の提供に尽力してまいります。

■ 沖縄県全体で考える適正飲酒と取り組み

肝疾患死亡率 全国1位
飲酒事故 全国1位
20歳未満飲酒 男性は全国の2倍
路上寝 年6,501件

資料及び出典:
沖縄県「健康おきなわ21」
沖縄県「沖縄県のアルコールに関する現状と課題」
沖縄県警「成人の適正飲酒及び未成年者飲酒防止3ヶ条」

【沖縄県の飲酒と現状課題】
適正飲酒量をご存じですか?
楽しく飲むために必要なのは、正しい知識と飲酒量の把握です。

沖縄県保健医療部健康長寿課より

沖縄県は肝疾患による死亡率が男女ともに全国ワースト1で、特にアルコール性肝疾患の死亡率は全国平均の約2倍となっています。飲酒習慣の実態調査では、飲酒の頻度(週に4回以上)は全国に比べて少なく、一度に飲む量が多いことがわかっています。また、適正飲酒量を知っている人の割合は全国の5割に対して沖縄県は2~3割程度と少なく、ほとんどの人が適正飲酒量を知らず一度に多量のお酒を飲み、生活習慣病のリスクを高めているのが現状です。
お酒を飲み過ぎないためには適正飲酒量を知り、自身の摂取アルコール量を把握することが大切です。飲酒量は飲んだお酒の量ではなく、摂取した純アルコール量を計ります。適正飲酒量は、男性は純アルコール量1日平均20g、女性は純アルコール量1日平均10gとされています。飲酒量には「ドリンク」という単位があり、純アルコール量10gが1ドリンクとなっていますので、男性は1日平均2ドリンク、女性は1日平均1ドリンク以下を目安にしてください。純アルコール量(ドリンク数)は健康おきなわ21で簡単に計算することができます。
また、「うちな〜適正飲酒普及啓発カレンダー(略称:節酒カレンダー)」という便利なアプリもございます。
これらを活用し、まずは自身の飲酒量を把握する習慣を身に付けることから始めてみてはいかがでしょうか。

android版 うちな~適正飲酒普及啓発カレンダー 節酒カレンダー!
ios版 うちな~適正飲酒普及啓発カレンダー 節酒カレンダー!
節酒カレンダーアプリの紹介

沖縄県の取り組み

  1. 「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」について知識の普及を図る。
  2. 20歳未満者、妊婦へ飲酒による影響等の啓発、情報提供。
※「健康おきなわ21」のwebサイトへ飛びます

■有識者の声

美味しいお酒を長く飲み続けられるよう、
お酒と上手に付き合いましょう。

[写真] 琉球病院 精神科医師 手塚幸雄先生

琉球病院  精神科医師  手塚幸雄先生

お酒は限度を超えると依存症や肝疾患になってしまい、二度とお酒が飲めない体になるというリスクがあります。しかし、美味しく楽しい時間を過ごせるものでもあるので、体を壊さずいくつになっても飲み続けたいですよね。そのために、自分の飲酒習慣がどの基準にあるのかを正しく認識しましょう。
まず、AUDIT(アルコール使用障害同定テスト)で現在の状態をご確認ください。理想は7点以下です。
そして、摂取アルコール量を意識して飲むこと。飲んでいるお酒の量ではなくアルコール量をドリンク単位で数えます。何杯ではなく、何ドリンクか。お酒の杯数は非常にあいまいで摂取アルコール量が分かりづらいため、ドリンク単位で確認することが重要です。食事でカロリーを計算するように、お酒はドリンク数をカウントしましょう。
飲み会などの場では雰囲気に流されないように注意することも大切です。一口飲むごとにコップを置き、食事や会話をしながら、お酒に酔うことではなくコミュニケーションを楽しむことを心がけましょう。
オリオンビールさんがアルコール度数9%のストロング系といわれる酎ハイの生産を終了したことは、本当に素晴らしいご決断でした。沖縄県民の健康を考慮し、お酒を楽しむ文化の神髄を大切になさっていると思います。現在の取り組みに加えて、飲酒量(ドリンク数)を自身で把握できるような仕組みを作っていただければ、より県民の健康増進に寄与されると、私は確信しています。
県民に愛されるオリオンビールとして、これからも健全な飲み方を推奨してくださることを期待しています。

アルコール分解を助けてくれる食事を選んで、
賢くヘルシーな飲み方を。

[写真] トータルウエルネスプロジェクトオキナワ 栄養士 伊是名カエさん

トータルウエルネスプロジェクトオキナワ  栄養士  伊是名カエさん

健康的なお酒の飲み方の基本は「食べながら」。必ず食事やおつまみと一緒に召し上がってくださいね。体に負担をかけないためには、飲む前は良質な油を含んだメニューを、飲酒中はたんぱく質と野菜が中心のメニューをお勧めします。
お豆腐からは大豆油、お魚からはオメガ3系脂肪酸、サラダのドレッシングからはオリーブオイルなどが摂取できます。良質な脂質は胃の粘膜を保護するので、飲む前に食べておくとアルコールの吸収が緩やかになります。ナッツやチーズなどの油分を含んだ固形物もいいですね。消化に時間がかかるので、アルコールが一気に吸収されるのを防ぎます。
魚や肉、大豆に含まれるたんぱく質は肝臓の働きを助け、野菜や海藻類に含まれるビタミンはアルコールの分解を促進します。飲んだお酒をしっかり肝臓で分解するためにも、これらの食材を意識して食べると良いでしょう。
具体的には、飲む前には島豆腐の冷奴やスクガラス、お刺身、もずく酢など。飲酒中には野菜チャンプルーなどがお勧めです。沖縄の食材や料理は、お酒を健康的に楽しめるようになっているんですね。
さらに、アルコール度数の低いものから飲みはじめると胃や肝臓の負担が軽減され、二日酔いになりにくくなります。アルコール度数が低く、のどごしやキレがあるお酒は、乾杯や最初の一杯にぴったりですね。
最後に、週に2日の休肝日を設けることもお忘れなく。お酒を飲まなくてもノンアルコールビールで飲んだ気分は楽しめます。そういった商品も上手く活用すると良いのではないでしょうか。

お酒に飲まれずお酒をコントロールできる沖縄県民へと、
若い世代から変えて欲しい。

[写真] 琉球大学病院 消化器内科医師 前城達次先生

琉球大学病院  消化器内科医師  前城達次先生

琉球大学病院は、肝疾患診療連携拠点病院の指定を受け、沖縄県の肝疾患診療ネットワークにおいて中心的に活動させていただいています。肝臓病の原因として全国的には肝炎ウイルス感染によるものが多いのですが、沖縄県はアルコール性の割合が突出しており、年齢も20歳代から40歳代の若い世代や女性の患者が多いのも特徴です。
そのため、適正飲酒の啓発活動も私たちの重要な仕事のひとつとなっています。若い世代に正しい飲み方を伝え、将来彼らが肝臓病や依存症で苦しまないようなお酒の飲み方ができるようになることが、私たちの一番の願いです。
20歳未満のうちから飲酒をはじめる人の割合は全国平均では約1割程度ですが、沖縄県は約3.5 割とかなり高率です。飲みはじめる年齢が若ければ若いほど、成人になって身体的、精神的な面で良くない飲み方を続けてしまう、というデータもあります。
20歳未満で飲酒をはじめる→無茶な飲み方を続ける→20歳代~40歳代で肝臓病→後戻りできない状況に陥る!という患者さんが多く見られます。こういう流れを若い世代から変えていかなければなりません。
しかし、アルコールによる肝臓病は患者さんひとりひとりの責任だけではなく、沖縄県民全体としての飲酒習慣や生活習慣なども大きく影響していると考えられます。まだまだ病気になっていなくても飲み過ぎている人はたくさんいます。沖縄県では社会全体の問題として認識し対策を講じるべきであり、かつ個人個人、ご家族の皆さん、ご友人などみんながお酒の飲み方を真剣に考え、適切に、ある程度厳しく飲酒習慣を管理することが重要ではないでしょうか。
適度な飲酒は決して悪いものではありません 。「自分でアルコールをコントロールできている」という自覚を持って正しく飲めば、お酒は人生にたくさんのメリットを与えてくれるはずです。まずはお酒のリスクを理解したうえで、自分で守れる適切な飲み方を確認し、アルコールをコントロールすることからはじめてください。
「お酒を飲み過ぎる沖縄県民」のイメージを「お酒を上手に楽しむ沖縄県民」に変えていきたいですね。